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加藤元浩『C.M.B.』34巻 講談社

マンガの感想

 この巻には「消滅飛行」「マリアナの幻想」「古屋」の3話が収録されています。

 「消滅飛行」と「マリアナの幻想」はともに老人の「後」を追いかけてお話が展開しています。

 「自分より年上の者が望んで旅をしてるのに お前さんはモリオのなにを知ってるんだ?」(「マリアナの幻想」)

 高齢者が一人で旅に出る。残された家族は放っておけないと思う。日頃、人間に限らず、年を経たものは敬うべきものだと漠然と考えています。でも、そこで「敬う」形として自分はどういったものを考えているのか、この話数は問いかけてきます。

 大切にする、などと言いながら実はその対象のことを知ろうともしていないのかもしれない。

 「年寄りの記憶がアテになるかね?」

 「みなさん昨日のことのように話してくれます」(「消滅飛行」)

 最初からアテにならないと思うのではなく、話をしてみれば得るところはある。

 この2話のうち、私は「消滅飛行」の方が好きでした。

 「あんたらをここへ呼んだのは・・・あの男なんだろうな」(「消滅飛行」)

 それは、ただ年月を重ねただけではなく、執念とでも呼ぶべきもので長年つづけたことが真実を明らかにするという展開が自分のツボにはまっていたからだと思います。

 と、懐古趣味風の感想で終わればよいのですが、3話目の「古屋」は古いことの良い面だけでなく、年配のものが年少者からおいしいところ取りをするという悪い面を思い起こさせるもので、ピリっと締まります。