加藤元浩『Q.E.D.iff』3巻 講談社

 この巻には「三人の刺客」「自転車泥棒」が収録されています。

 「三人の刺客」の扉は『チャーリーズ・エンジェル』をイメージしているのかな?それはさておき、「自転車泥棒」は探偵役の少年がかつてかけられた嫌疑に関するお話。子どもの頃に少しだけ滞在した街、そこで知り合った人たち。解体される家の立会人として少年はその街に呼び戻されます。回想の道すがら、当時は分からなかった自転車窃盗の真犯人の考察がはじまるのですが。

 「誰とも顔を合わさず ひたすら作り続けた 嘘の世界」

 この話数の結末を読んで私は倉知淳さんの『壺中の天国』という小説を思い出していました。また、それとは別に「自転車泥棒」自体はきれいにお話は着地しているのですが、真犯人は謝る相手を間違っていると思います。謝るなら自転車店の店主に対してのはずです。

 この話数は謝罪と許しがテーマのようですが、謝罪の対象から、それはまだ自分だけの意味の連なりの中で行われたことであって、「嘘の世界」はまだ壊されていないと感じます。