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小林章『フォントのふしぎ』美術出版社

この本を読もうと思ったのは、同じく小林さんの『まちモジ』が面白かったためです。
「大人でなくたって小学生の高学年くらいになれば、それまでの経験で、『こういう場面では普通こうだよね』というのがだいたいわかっている。」(p.109)
小林さんはフォントの使い方は特別な知識がなくても常識のようなもので分かると考えています。
「読む人は、文字の形そのものなんか見ていない。」(p.200)
そして、フォントが象る文字に含まれるメッセージの伝達相手に存在を気取られないのを理想とされています。
デザインする側からすれば、そうなのだと思うのですが、受け取る側からすれば、フォントの選択が与えている影響のことに自覚的であった方がいいように思います。
小林さんはフォントの専門家なので、一般の人が気づかないフォントの効果・影響に気づくことができて、この本ではその辺りが説明されていいます。自分が普段気づかずに過ごしていることに気づきをもたらしてくれてとても面白い本でした。
「スープを飲んだあと、使ったスプーンの形がありありと思い出せるようなら、そのスプーンのデザインは悪かったということだ」(p.200)