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野村進『コリアン世界の旅』講談社文庫

この本を読もうと思ったのは、積読になっていたためです。
「考える必要がある。なぜ十万人近くもの在日朝鮮人帰化者や日本人伴侶が、彼らの多くにとり生まれ故郷であるはずの日本を離れて、北朝鮮へ向かったのかということを。」(p.352)
この本を今読んだのは、『同化と他者化』を読んだ影響があって、自分がそこの人としていてもいいとアイデンティファイできないときにそのことと移動の繋がりが気になっていたからです。
「彼らに共通する何かがあるとすれば、それは『ベトナム・ノスタルジー』とでも言おうか、ベトナムへの郷愁のようなものなのだった。」(p.229)
なので、ベトナム戦争の後で、当時そこで戦った韓国兵がベトナムへ戻ってきたことに触れられている箇所も気になりました。
日本でのことだけではなく、米国のコリアンについてもページが割かれていて、「自分たち」に優しくない場所で生きていくことの困難さを思いました。
自分にとって普通な場所でも、他の人にとっては疎外を感じる場所かもしれなくて、それはただ見えていないだけで、「世界が違って見えてくる」とは帯に書かれているキャッチですが、読みおわった後で本当に世界が違って感じられる本でした。