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榎本まみ『督促OL修行日記』文藝春秋

この本を読もうと思ったのは、勇気をつける必要があったためです。
「私はもともと、人に何かを強く言うことのできる人間ではありませんでした。」(p.12)
著者である榎本さんは新卒採用であるクレジットカード会社に就職します。配属されたのはコールセンター。未入金のお客さんへ督促の電話をかけるのが仕事でした。電話相手は一筋縄でいかない相手も多く、ストレスフル。退職者も多く、同期も辞めていってしまうブラック部署。そんな中で最初はダメダメながらも自身の仕事に向き合って徐々にうまくなっていく様子が描かれています。
「『本能には勝てないだろー!!』私は人が怒鳴られると固まる理由を調べていた図書館で叫んだ。」(p.90)
印象的だったのは、榎本さんが上手くいかないながらもそれをどうにかしようと律儀に対策を練っている様が窺えた点でした。督促の電話をかけていて怒鳴られてしまうと体も硬直してしまうからといって、それを何とかしようと図書館で文献を調べるというのは、リアクションとしてあまり一般的ではないような気がします。本には明示されていないのですが、怒鳴られること以外でも対策のために本を探して読まれていたようで真面目な人柄が感じられます。
「電話口でお客さまのせっぱつまった様子から、なんとかこのお客さまの言葉を信じたいと思った。」(p.65)
明日からの自分の仕事も地道に頑張ろうと思わせられる本でした。