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たなかのか『すみっこの空さん』4巻 マッグガーデン

『すみっこの空さん』というマンガの4巻目を読みました。
「同じものを読んでいたのに何で正反対のことを言うのカニカマは・・・」(p.151)
主人公である空さんのご近所さんの少女はプラトン(亀)の飼い主が自分と同じ本を読んでいたことを知ってこんな風に思っています。
それは同じものを読んでいたこと以外が違っているから。例えば過ごした時間の長さとか。
「行く意味がなかったことは行かなきゃわかんなかったことじゃないか」(『すみっこの空さん』1巻 p.152)
気になったので4巻でその少女がプラトンの飼い主(=カニカマ)とのやりとりを回想していた箇所を読み返してみました。「行かなきゃわかんなかった」という経験が正反対の発言をさせる原因のひとつかもしれないなと思います。もっとも、こう言っているのも件の少女自身なので、彼女自身カニカマと正反対のことを思っている自分もやがてカニカマと同じように考えて同じような言葉を口にしてしまう日がくるという不安を否定したくて言っているかもしれません。
「以下同文です」(p.161)
反復される卒業式の練習で空さんは以下同文という言葉の意味を考えています。何日も繰り返される卒業式の練習。証書を受け取り式場を後にする卒業生。でも、明日がくればまた証書を受け取り同じように式場を出ていく。変わっているようで何も変わらないかのような日々。そして本番の日が過ぎて気づくのです。卒業生はもう戻ってこないのだと。以下同文です、同じ文言が並んでいるとしても、その1回1回は実は違っている。同じ本を読んでいても考えること感じること発言することも違ってくる。一見すると同じだと思ってしまうことが実は異なっていると気づくのは哲学の一つの側面でしょうか。
唐突ですが、この巻を読んでいると鍋焼きうどんが無性に食べたくなってきます。