読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

朝日新聞特別報道部『プロメテウスの罠2』学研

『プロメテウスの罠』は2012年3月に出版された。東日本大震災福島原発事故後1年経過のタイミングだった。幻冬舎の『レベル7』や少し前に講談社の『メルトダウン』が出版されるなど1年が経ち注目が高まる時期だった。当時、これだけ出版が重なるのは1年後だからであって、2年たつ頃にはそんなこともなくなっているだろう、と思っていた。
「最近、読者の方から『いつまでやるの?』と聞かれることがある。」(p.276)
この2が出たのが2012年7月。そして今現在4まで刊行されている。
「考えてみるとわれわれは忘れるほどのことを知っているのだろうか。」(p.275)
先月の3月11日で震災から丸2年を迎えた。忘れない、忘れてはいけない、と思うのは簡単だった。口にしたり文字にすることもできた。でも、何を忘れないのか、どういう立場で忘れないのか、忘れなかったからといって何もできなければそれは何になるのかと自問せずにはいられなかった。
「あのときに水圧計を重視していたら・・・」「死者不明者約1万9千人のうち、1万人が助かったと思います」(p.208)
政府や東京電力などの杜撰さ問題点は数多く文章になっている。気象庁津波予測に関して反省点も触れられている。
忘れるほどのことを知っているのかと問われれば答えに窮する。しかし、少ないとしても知っていることは確かに知っている。そして人の命に関わらない状況なのに杜撰なこと、おかしいこと、きちんとしていないことを変えるためにがんばれない自分のことはよく知っている。
同じような災害はきっと起こる。そして多くの人が多かれ少なかれ知ることとなった問題点が改善されていなければ被害はきっと拡大する。
忘れないのが、あのとき募金はしましたというアリバイのような気持ちだけだとしたら、自分が情けなさすぎる。