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加藤元浩『C.M.B.』21巻 講談社

C.M.B.』というマンガの21巻目を読みました。この巻には「冬木さんの一日」「湖底」「エルフの扉」「バレッタの燭台」が収録されています。
ひさしぶりに『はぐれ刑事純情派』を観たような印象を受けた巻でした。藤田まことさんはもういないのか。
「冬木さんの一日」は父親の「秘密」を探っていく娘のお話。冒頭のマジックに父親の人生観が明示されていることがお話の最後で分かるようになっています。この父親のことを理解していくこと=謎解きが『Q.E.D.』43巻の「検証」の中で再現と実際の事件の違いについて言われていたことのケースのように感じられてとても印象的です。What a wonderful worldは他人がそう言うのを聞くだけ(再現)ではだめで、同じものを自分で見て感じて自然と口をついてこの言葉が出てはじめてその意味が分かるんじゃないのかな、と思わせられたお話でした。
「湖底」はお話の最後のページに探偵役である少年のセリフがのっているのですが、最後のコマに映っている人物の背中がそのセリフの内容に反してそれでも変わらないものがある、失ったものは決して取り返せないという無念さというかやりきれなさを切々と感じさせるものでした。
「エルフの扉」は新井素子さんの『くますけと一緒に』を思い出しました。
バレッタの燭台」は人が呪縛のようなものに囚われているとき、それから解き放つ方法ってなんだろうな、と考えさせられました。
「冬木さんの一日」がとてもよかったです。