スーザン・ピンカー『なぜ女は昇進を拒むのか』早川書房

この本を読もうと思ったのは、題名が気になったためです。
「男女間の統計的な差異はたしかに存在する。しかし、統計は決して一人ひとりの人間を代弁するものではないし、その選択を制約するものでも、不公平な慣習を正当化するものでもない。」(pp.396-7)
男女平等が言われる中で、男女間にある違いが考慮に入れられなくなることで、逆に個人が尊重されなくなることへの異議を唱えた本のように感じました。
「ある仕事に就くための機会と能力があるからといって、それが必ずしもその人のやりたい仕事とはかぎらないということである。」(p.126)
ピンカーさんは個人の選択が尊重されるかどうかに注意を向けているように感じたのですが、男女間に統計的に性差がある、という「である」が「べきである」へと滑り落ちていくことは簡単に起こるように思えて、そのことがとても気になった本でした。