福田和代『TOKYO BLACKOUT』東京創元社

この本を読もうと思ったのは、文庫化ということでちょっと話題になっていて題名から興味がわいたためです。
「西日本の電力会社から電力を融通してもらうときには、周波数変換所で六十ヘルツの電気を五十ヘルツに変換しなければならない。」(p.27)
テロによって送電網が破壊され、東京が停電に陥る。犯人とそれを追う警察を描いたお話だったのですが、電力会社が不測の事態に陥った時にどう対処するのかを描いたお話として読んでしまいました。
輪番停電をするのです」(p.62)
この本が出版されたのは2008年ですが、先の震災時にとられた電力会社の対策の展開がこの本で描かれている流れをなぞっているように感じられて、著者である福田さんやこの本を読んでいた人は、そういう展開になることを思い描くことができてしまったんだろうな、と感じました。単純にそういう対応マニュアルのようなものがあったり、対処方法のレパートリーが限られている、ということで、一般には知られていないというだけなのかもしれませんが。
「同じことを繰り返さないように対策を考えるのも私たちの仕事です。今もし同じ事故が発生しても、もう停電は発生しません」(p.58)