佐藤栄佐久『知事抹殺』平凡社

この本を読もうと思ったのは、書店の震災関係コーナーで目にして気になったためです。副題は「つくられた福島県汚職事件」となっています。
「佐藤知事は日本にとってよろしくない、抹殺する」(p.328)
佐藤さんは元福島県知事で、在任中のことや、贈収賄で逮捕されたこと、公判中の様子などが書かれていました。
読んで思ったのは、仮にこの本が出た当時(2009年)に読んだとして、どんな印象を持ったのかな、ということでした。汚職という犯罪を犯した「悪い人」がうまくいいわけをしているんじゃないか、という風に眉に唾をたくさんつけて読んだような気がします。
「検査記録の改ざんについて、福島第一原子力発電所では内部告発が行われていた。」(p.84)
原発立地県から首都を見ると、『自分にかかわり合いが出てきて、初めて関心を持つ人たち』としか見えない。」(p.97)
「私が知らない人たちがたくさん登場し、私の知らない事実ばかりが出てくる。」(p.248)
検事によるフロッピー改ざん、3.11の震災、その後でこの本を読むと、本の内容は本当のことなんだろうな、と感じられます。

書店の震災関連コーナーには、阪神大震災東海村の本が並んでいたりして、防げなかったのか、予知できないのか、といったものや関係者の杜撰さを糾弾するような言葉がPOPに溢れています。阪神大震災東海村のときも書店には、こういったコーナーが設置されたのかな、と考えたりします。そのときも、もしかしたらPOPに書かれていた言葉の方向性は今と変わりはなかったのかもしれない。今度何かが起こったときは、3.11に関係する本がコーナーの「関連本」として並べられるのかな、と考えたりして、なぜかしら寂しいものを感じます。