高野和明『幽霊人命救助隊』文春文庫

この本を読もうと思ったのは、『ジェノサイド』が話題ということで高野さんの名前をいろんなところで目にして、この本のことを思い出したためです。
お話の筋は、幽霊4人が天国に行くために自殺しようとしている人を100人助けようとする、というものです。
「いいことをするということと、いい人ぶることの区別がついていないのだった。」(p.366)
この本を読みながら思ったのは、『灰羽連盟』だなあ、ということでした。幽霊4人がやっていることは、人助けなのですが、そこで行われているのは、自殺してしまった自分自身の命と向き合うことであり、実際には死ななくても良かったということの確認でもあります。100人の自殺志望者を救えば天国に行ける、というのは100人を救うこと以上に、その中で自ら命を絶ってしまった4人自身の反省が大きな意味合いを持っているのではないのかな、と思いました。
「この国には一億二千万人もの人々が生活しているのに、どうして孤独というものがあるのだろう。」(p.88)