アントネッラ・アンニョリ『知の広場』みすず書房

この本を読もうと思ったのは、題名を見て、図書館を場所として捉える視点で書かれた本かな、と思って興味がわいたためです。
「図書館のレイアウトは、利用者がどのように歩き回るかの調査結果に基づいて設計されるべきだろう。」(p.134)
商業施設などでは、VMD(=Visual Merchandising)ということを耳にすることがありますが、図書館でも同じようなことが考えられるのかな、と思わせられた本でした。
「私たちは、図書館のエントランスに何を置いたらいいのか、もう少し考えてみなければならない。」(p.139)
図書館の本、というとNDCで分類・配架されていて、本の並びとしては主題によるコラボのようなものはない、というイメージだったので(NDC自体が、1類が思想系で2類が歴史系というように近いと考えられるテーマが近づけられている、ということは置いておいて)、要するにどこに行っても同じで棚がたくさんあるかどうかだけの違い、のような思い込みがあって、そこから勝手に物理的な側面、自分がその中に存在して時間を過ごす場所として図書館がどういったものなのか、ということは全然考えたこともなくて、そのことにも気づいた本でした。
「調査結果からは、図書館にいて、自分は”部外者”だと感じることがあることが分かる。」(p.42)
私は図書館からよく本を借りるのですが、借りた本を図書館で読むことは全くありません。同じように、所蔵されている資料を図書館で読んだり調べたりする、ということもとんとご無沙汰です。図書館がそこの居ることのできる場所だという発想で自分の中で捉えられていないのは、どこかしら部外者だと感じているという面があるからかな、とぼんやりしました。