木村大治『括弧の意味論』NTT出版

この本を読もうと思ったのは、自分が書く文章の中の括弧が気になっていたためです。
「同じ言葉に括弧をつけただけで、現代思想風になるというのが本書のテーマにかかわって面白いところである。」(p.12)
社会問題を「社会問題」したり、女を「女」としたり、真実を「真実」とすることで別の意味合いを持っているようにする。
「無責任な括弧使用は、アソコではなく、いわば不定称としてのドコカへの投写と言うべきだろう。」(p.169)
木村さんは、哲学における括弧の使用について、語りえないものを語るために既存の言葉を使う窮余の策だとして肯定的に捉えています。一方で、括弧を多用することで現代思想文のパロディを作ってしまえることの理由を上に引いたように言われています。私が自分が使う括弧が気になるのも、ここでそのものについて書いているつもりなのに、括弧を使うたびにそれがドコカへと向かってしまって、結局どこに定位しているのか分からない感じを受けているからだと思います。

最後に自分の文章中の括弧率を計算できるサイトが紹介されていたのでリンクを貼っておきます。括弧率計算ホームページ