熊倉隆敏『ネクログ』1巻 講談社

『ネクログ』というマンガの最初の巻を読みました。このマンガを読もうと思ったのは、『もっけ』が好きだったためです。
「逆に考えれば死者が生者を操って屍体を故郷に運ばせているのです」(p.100)
死体を操る道士と、彼に師事する記者が中心のお話のようでした。死体を故郷に運ぶために術で操ることについて上のように言っているシーンがあります。普通は、死体を操っていると考えられることも、逆に死体の方が生きている人にそう操作させるように働きかけているのかもしれない。でも、その源は、死体の搬送に限れば、生きている人の死者に対する想いなのかもしれません。もしも、故郷に帰ることが死者の願いだとしたら、願いに力を貸してくれるのは、やっぱり想ってくれる人なのかな、と思います。その想いに応えられるかどうかは別として。
道士が操っている死体は、記者の幼馴染のお姉さんです。記者はそのお姉さんへの想いをまだ持っています。
「君の姐姐への想いにはいつも驚かされます」(p.100)
自分が想っている人が死んでしまって、でも、体だけはそのまま変わることなく存在し続ける、その様を知ってしまったり見てしまったりする気持ちはどんなだろう。道士は彼のそんな想いを試しているように見えます。と、いうよりも道士は彼の想いの姿の中に自分が信じたいものを見ているような気がします。