岩村暢子『家族の勝手でしょ!』新潮社

この本を読もうと思ったのは、『日本の論点』の中で岩村さんが書かれている箇所があって、興味を持ったためです。
「食DRIVE」という家庭の食卓調査で集められた写真をもとに最近の家庭の「食」はどうなっているんだ(ダメじゃん)ということを書いた本でした。
文章の記述自体からは、「食」に手を抜いている主婦に対する糾弾の色合いは強く感じられないのですが、本の題名がこれなので、文章自体は冷静でも、向けられている価値判断は大きなダメ出しなのかもしれません。
この本を読みながら動揺してしまいました。掲載されている写真を見て、調査対象者とのインタビューの内容を読むと、確かに「食」は崩壊へ向かっているのかもしれない、と感じてしまうし、自分が毎日食べているものを仮に写真を撮って連続的に記録したとしたら、もっと悲惨な記録になりそうで、そんな食生活の自分が仮に家庭を作ったり子どもがいたりしても、この本の中で悪い見本のように示されている食卓と同じかもっと悪いものを作ってしまいそうで怖くなってきます。
でも、スーパーで買い物をしてレジに並んでいるときに前後の人のカゴをなんとはなしに見る印象では、この本で言われているような悲惨な状況は極端すぎる気がして、この調査の対象は首都圏ということですが、都会と地方では差があるということかもしれないのですが、何が本当なのか分からなくなってきます。
クックパッドの話を聞いたり、たまに通る料理教室の盛況ぶりを考えると、この本で示されていた「食」に表れる考え方や方向性とは別の考え方や精神性もちゃんとあるようにどうしても感じてしまいます。
あと、思うのは岩村さんご自身の食卓を写真つきで記録にとったら、どんな光景になるのだろう、と思ってしまうのは邪でしょうか。