若竹七海『名探偵は密航中』光文社文庫

この本を読もうと思ったのは、積読本になっていたためです。
このお話も船の上で起こったいろんな事件?を描いたものでした。
「駆け落ちってのはたいがい、人妻とするものじゃないか」(p.199)
「現実とはそういうものです。怖がることなどないのです。恐怖は克服すべきもの」(p.258)
「それが、自分にとって本当の望みだとしたら、望むように生きるしかない。人生は一度きりしかないし、おまけに―時間は巻き戻せませんものね」(p.365)
船には行先があって、お話が船の上でのこととなると、船がその目的地に近づくとともにお話も終わりに近づいていると無意識に前提してしまいます。印象に残った箇所を振り返ってみると、お話自体にも目的地があって、そこへ向かって着々と歩を進めていたんだなあ、と思ってしまいました。
お話とは別に、若竹さんの『海神の晩餐』を読んだときもそうだったのですが、船酔いの描写が出てくると、船の揺れを体感として思い出してしまって、気持ち悪くなってきます。