ダニエル・キイス『24人のビリー・ミリガン』上 早川書房

この本を読もうと思ったのは、たしか北川歩実さんの『僕を殺した女』だったと思うのですが、多重人格が関わってきていて、その中でこの本にも触れられていて、なんとなく気になっていたためです。ノンフィクションです。
「わたしたちは、できるだけ理解しようと努めているだけだ」(p.196)
強姦事件で逮捕された男性がなにかおかしい。多重人格だった、というわけで、そのことが綴られた本だったのですが、読んでいて違和感を感じました。それは、犯罪の加害者なのに、この本に登場する人たちは、みんな彼/彼女のことを分かろうとしていたり、優しさが向けられていたりしたためです。
「みんなに知らせるべきだと思います。子どもの虐待がどういう結果になりうるか、理解してもらうのに役立つかもしれない」(p.306)
更に、彼自身が幼少のころに義父から受けた性的虐待の被害者である、といった流れになっていきます。
確かにそういう面はあるのかもしれないけれど、どうしても違和感を感じてしまいました。