加藤元浩『C.M.B.』16巻 講談社

C.M.B.』というマンガの16巻目を読みました。この巻には「ナスカの地上絵」「レヤック」「学校の七不思議」「クファンジャル」が収録されています。
「善と悪は戦い続ける どちらかが勝ってはいけない」
今、ラス・カサスの本を読んでいるので「ナスカの地上絵」がとても印象的だったのですが、この巻の中では「レヤック」が一番心に残りました。
レヤックはバリ島に伝わる悪霊で、何か悪いことがあるとすべてレヤックのせいだとされるそうです。そんなレヤックに象徴されるバリ島の迷信めいた世界観に対して登場人物の医師は「科学的な考え方が広まった方がいいと思うんだ」と言っています。
うまく形を捉えることのできないものを感じたり知ったりしたとき、「レヤック」という言葉は明確な輪郭を与えるのかもしれない。そこではっきり捉えたという感覚は逆にその形以外の姿でそれを見られないようにするのかもしれません。
Q.E.D.』の38巻に「十七」というお話があるのですが、誰にも理解されないものにたどり着いてしまったときに、それを分かってくれる人を待つのは、「レヤック」のようなものを待つのに似ているのかもしれない、と思います。
「まだ存在しない答えは 見つけた人間を孤独にしてしまう」(『Q.E.D.』38巻「十七」)