セミール・ゼキ『脳は美をいかに感じるか』日本経済新聞出版社

この本を読もうと思ったのは、タイトル通りの興味があったためです。

「筆者は極めて特異的な細胞群の活性化によって美的体験が生じると言っているのではなく、これらの細胞無しにはそのような美的体験はありえない、と言っているだけなのである。」(p.228)

「そのような患者は、モンドリアンマレーヴィチの作品の色の要素を見ることはできても、線や形を理解することはできない。彼等には、線も形もまったく存在しないのである。」(p.226)

読んでて感じたのは、認識と脳の関係は述べていても、美と脳の関係はあまり述べられていないのではないか、ということでした。対象として美術作品をとりあげているので、美と脳の関係を書いているようでありながら、美術作品の美の部分ではなくて、形だったり色だったり、構成している部分と脳の関係を述べていて、それらの部分を認識できないとしたら、美も認識できないんではないのですか、という感じで美と脳の関係を間接的に言っているような本でした。