『プール』

『プール』という映画を観てきました。この映画を観ようと思ったのは、小林聡美さんともたいまさこさんが出演されていたためです。このキャストでタイトルが『プール』なので、『かもめ食堂』や『めがね』系統なのかな、と思ったのですが、監督は別の人でした。

ある女性が卒業旅行でタイにあるゲストハウスを訪れます。そこで母親が働いている、というのが主な理由だったようですが、そこでの生活が淡々と描かれていました。

観ていて気になったのが、共同リビングルームの配置。共同リビングルーム自体は外でもなく内でもなく、といった感じの造りになっているのですが、それが各部屋の中心にあるのかどうかが気になりました。もしも、そんな内でもなくて外でもないように感じられる場所が、中心にあるとしたら、「中心」という確固としたものが、それ自身ではなくて、周りに囲まれているという関係性によってネガティブに境界づけられるように思ったためです。

タイトル通りプールが出てくるのですが、そのプールで泳ぐ人は誰もいませんでした。足を浸してぴちゃぴちゃするくらいで。タイトルはプールなのですが、そう考えると、あんまりクローズアップされていないように感じられて、泳ぐものとしてではないプールってどんな感じのものなんだろう、と考えてしまいました。

泳がない、とともに女性は卒業旅行といいながらも遊ぶわけじゃなくて、淡々としていて、そんな卒業もあるのかなあ、と思ったりもしました。

エンドロール後に席を立つ他のお客さんの様子を窺うに、微妙な感じの映画だったかもしれません。プールだけに、睡魔と戦ったりしましたが、でも、映画の中の世界で流れている時間や雰囲気の中に自分が身を置いたら、こんな感じのゆったりした睡魔に襲われるように思って、そういう世界っていいな、と単純に思います。

『めがね』を観たときも、今回も、映画を観て例えばスローなライフがいいとか、そういったことを確認したかったかもしれないのですが、わざわざ映画を観て確認するよりも、それがいいと思っているのなら、そうすればいいののに、と自分の生活を省みて自戒を込めてそう思いました。