芦原妃名子『Piece』Volume.1 小学館

『Piece』というマンガの最初の?巻を読みました。このマンガを読もうと思ったのは、作者が芦原妃名子さんだったためです。

主人公は大学生の女性。高校時代の同級生が亡くなります。地味で目立たない存在だった彼女には当時、交際相手がいたらしい。彼女の母親に請われて、その相手が誰だったのか、そして印象とは裏腹に男性経験があった彼女のことを知りたくなった主人公は当時の関係者のもとを訪ねていきます。設定はこんな感じでした。

高校時代を回想したシーンで、教師が日付と出席番号の一致から生徒をあてる箇所があります。前に大村はまさんの本を読んだときに思ったのですが、そんな偶然にまかせるよりも、前もって誰にあてるかを決めておいたほうが、その生徒個々にあわせてフォローの仕方や発問の仕方を考えられるように思えて、「教育」という意味では、その方がいいと思います。なんとなく、生徒個人個人に対する関心が低いような気がするためです。

主人公は、自分のこれまでの人付き合いの距離感について思うところあって、亡くなった同級生のことを尋ねてまわっています。で、主人公に関わってくる人の中でも、その同級生のことを知りたいと思うようになってくる人がいます。亡くなった同級生は目立たない存在だとされていて、誰からも興味をもたれなかったような印象なのですが、亡くなった後で彼女のことを知りたいと思うのは、彼女のためというよりも、知りたいと思う側が自分の問題を解決するためだったり、胸のつかえを軽減するためだったりするように見えます。

多分、お話しが進むにつれて、色々な「事実」が明るみになってくるかと思うのですが、そうやって残った人たちが為すことによって象られてくる「彼女」の形は残った人たちのものであって、そこではずっと「彼女」は不在というか、声は封じられたままになるような気がします。