三枝匡『V字回復の経営』日本経済新聞社

この本を読もうと思ったのは、前に上司がそれはV字回復だね、といった感じのことを言ったことがあって、?という感じだったためです。副題は「2年で会社を変えられますか」となっていました。

業績が悪化しているある企業を舞台に、黒字にもっていくまでがフィクションっぽく書かれた本でした。

「OJTというのは、多くの日本企業で『何もしない』の代名詞なのである。」(p208)「筆者の体験では、戦略の内容の良し悪しよりも、トップが組織末端での実行をしつこくフォローするかどうかのほうが結果に大きな影響がある。戦略を決定したらそれで自分の役割が済んだつもりのトップは多い。」(p229)「商品別の損益が分からないとなると、毎月の業績は何で判断しているのだ?」(p58)

この本を読んでいて思い出したのが、野村監督の言葉でした。たしか、阪神を退かれて、星野監督のもとで阪神が優勝した後でコメントのような形で報道されていたものだと記憶しているのですが、自分が選手たちを大人として扱ったのが失敗だった、というようなものでした。「大人として扱う」というのが、後は自分でできるでしょ、という感じで後々のフォローがないことなのかどうかは分からないのですが、言葉だけを聞くと私はそういう風に捉えてしまって、よく自主性を重んじていますということを教育関係の管理職の人が口にするという偏見を持っているのですが、自主性を重んじるというのと、放任主義と、その裏返しの無責任と、そんなことを考えてしまいます。

結局、人と人との関係が大きな要因なのかなあ、という印象を受けました。