スコット・ベドベリ『なぜみんなスターバックスに行きたがるのか?』講談社

この本を読もうと思ったのは、タイトル通りのことが疑問だったためです。聞くところによると、スターバックスのコーヒーは注文するときに色々と選ばないとだめなようで、それを考えると、なんか疲れちゃって入りにくくて入ったこともないのですが、スタバのことが好きな人って結構いるようだし、今までなかった地域にできると話題にもなるので、なんでだろーと思っていたからです。本なんか読むよりも実際に、自分で行って飲んでみればいいんだろうけど。

タイトルから勝手に想像するようなスタバがやっているノウハウを書いた本じゃなくて、著者さんはスタバのほかにナイキブランディングにも携わった方のようなのですが、ブランドについて書かれた本でした。多分、タイトルの答えは、スターバックスがいい会社だからって感じになるんだろうなと思います。人に好かれる人がいて、それをどうしてかと尋ねたら、いい人だから、と答えられるようなもんかなと思います。

「パートタイマーに対して正社員と同レベルの健康保険を適用し、勤務時間数に関係なく全従業員にストック・オプションを与えた」(p223)という内容が何回か書かれています。多分、それはいいことなんだろうけど、次のような記述もありました。「スターバックスにとって最も大切な要素は、コーヒーカップの中身よりもカップを手にする人間のほうなのだ―コーヒー豆を買い付ける人も大切、ローストする人も大切、コーヒーを淹れる人も大切、それを受け取って店を出ていく人も大切。」(p223)何も知らずにこんなことを言うのはなんですが、コーヒー豆を作っている人はどうなんだろう、と思ってしまいました。

他の箇所で、大企業だと見られると、反感を買うことがあるので、目立たないようにしようとするとして、「ゾウ隠し」という言葉が使われています。この本はアメリカの企業について書かれていると思うのですが、テレビに出てくる人たちの中には、日本は出る杭が打たれる文化だけど、アメリカは違うって感じで米国賛美な人がいるかと思うのですが、「ゾウ隠し」が考えられるってことは、出る杭はどこでも打たるんじゃないのかなと思います。

で、この本を読んでいて、なんか似ているなあ、と思ったのですが、ブランドを人となぞらえている部分とかあって、結局「イイ人」のススメ企業版を読んでるようで、最近、品格とか言われることがあったかと思うのですが、それに似ていたんだなと思いました。時期が時期なら『スタバの品格』というタイトルで邦訳されていたりして。間違っても『スタバの正体』とか『スタバ絶望農場』とかにはならなかっただろうな、と思いました。