荒川弘『鋼の錬金術師』21巻 スクウェア・エニックス

鋼の錬金術師』というマンガの21巻目を読みました。

「使えん人質を取って自ら逆臣の汚名を着るか?まったくもって人間というのは度し難い」(p148-9)

この部分がこの巻で一番印象的でした。むかしみたアニメのあるシーンを連想したためです。『エウレカセブン』の最後の方の話数でしたが、敵さんの親分が、子分たちをある場所に派遣します。その場所では非人道的なことが行われていて、結局、それを目の当たりとした子分たちが寝返ることでお話しは展開していくのですが、私はその展開をみたときに、正義や人間の良心といったもの(個々のものではなくて、抽象的なそれ)を見くびってはいけないな、となんとなく思いました。

話は変わって、『機動戦艦ナデシコ』というアニメにも、「深く静かに戦闘せよ」という話数があって、その中で主人公側の艦長は敵さんも人間であることを踏まえて(信じて)作戦を立案します。この巻の上で引用したセリフの中には、人間であることに含まれる、正義感や良心や弱さなどなどに対する嘲りが含まれているように思うのですが、それは理解したうえでのものではなく、無理解からくる拒絶に近いように思えて、これは私の勝手な思い込みですが、その人質が人質として通用するであろう相手には、そういった「人間臭さ」が存在しているように思えて(過去の巻で触れられた2人の馴れ初めとか)、このセリフを言った人(?)がそういったことに足元をすくわれるような感じがして、とても印象的でした。

多分、自分がそんな風に見くびられる側から考えているからであって、逆に見くびる側から考えてみれば、単純に油断している、ということにすぎないのかもしれないのですが。