中村航、絵:宮尾和孝『星空放送局』小学館

この本を読もうと思ったのは、あるブログの記事を読んだためです。携帯電話とかの電波が空中を飛び交っているのを想像するのが怖いのに、ラジオとかの電波が空、とりわけ夜空を伝わっていっているのを想像するのがすがすがしいのは、なんでだろう?

「出さない手紙」「カラスは月へ」「星空放送局」の3話でできている本でした。

私が好きな歌手の人のブログに、自分の救いとなっている存在は、自分がそういった存在になっているということに気づいていないんだろう、というようなことが書かれていて、そのことを思い出してしまうお話したちでした。

誰かが自分の救いとなっていることは、自分のことだから分かりやすいけれど、自分が誰かの救いとなっていることは、とても分かりづらくて、でも、自分が誰かに救われているという経験は、自分も誰かの救いになっているかもしれない、という希望につながっていくような気がして、で、自分が救いになっていることが分からないという想像は、自分の救いとなっている人やものに対していとおしい気持ちを抱かせるかもしれなくて、そんな主体と客体が転換していくような関係性が発生すること自体が、「伝わる」ということなのかもしれなくて、それは「届く」ということにも似ているのかもしれないなあ、とぼんやりしました。