ドネラ・H・メドウズ、デニス・L・メドウズ、ヨルゲン・ランダース『限界を超えて』ダイヤモンド社

この本を読もうと思ったのは、この本が『成長の限界』の続編だったためです。最初、知らなかったのですが、この本が出たのが1992年で、『成長の限界』が1970年刊なので、20年ぶりの続編となっていました。

「あるところに池がありました。その池にはスイレンが咲いていて、その数は毎日二倍になります。もしこのスイレンをそのままにしておくと三〇日で池を完全に埋めつくし、水中の他の生物を窒息死させてしまいます。長いあいだ、スイレンの数はさほど多くないように見えたので、池の半分を覆うまでそのままにしておくことにしました。さて、それはいつのことでしょう」(p23)これはフランスのなぞなぞだそうで、『成長の限界』でも紹介されていました。幾何級数(指数関数)的に変化するものに対処する場合、その対処に許される時間がどれだけか、ということの意外性を通常線形的に物事の変化を捉えてしまう人たちに分からせるためのお話のようでした。

この本の中で、何回か倍増期間がどれくらいか、と筆者が考えている箇所があるのですが、指数関数的に変化するものと時間との関係について、一応、分かっているつもりだったのに、倍増期間を気にすることに私は鈍感でした。要するに、倍増期間が要するに破滅というか限界とその一歩手前とのあいだの猶予期間で、何か対処しようと思ったときに、その時間を過ぎていたら、手遅れだということの意味に対する自覚のようなものが足りませんでした。

この本ではワールド3というプログラムというかモデルというか、正確なところはよく分からないのですが、そういったものをコンピュータで走らせて、地球の行く先についていくつかシナリオを作って、検討しているようです。で、確か、この本のどこかに書いてあったと思うのですが、モデルは地域差が反映されていなくて、地球総体としての趨勢が表現されているとしたら、実際に人びとが行動する際に、地球人としての自分とかいったものじゃなくて、○○国の自分とか、○○社の自分とか、なんでもいいのですが、何らかの意味でよりローカルな自分で考えるとしたら、全体としては破滅に向かうとしても、部分的に(当分の間)はいい方向に向かっているという認識になるかもしれなくて、ワールド3が示す方向性としての破滅、というお話しは分かりやすくても、実際に行動に移すというときに、難しいのだろうなと思いました。って、陳腐な感想だけど。