八代嘉美『iPS細胞』平凡社新書

この本を読もうと思ったのは、iPS細胞に関するいろいろに興味があったためです。

はじめてiPS細胞のことを聞いたのは、TVだったと思うのですが、そのときは、胚からつくられるES細胞とは違って、「iPS細胞は、『大人の体からとってきた細胞』を出発点にしながら、私たちの身体を構成するさまざまな種類の細胞をつくり出すことができる」(p21)ということで、倫理的な問題がクリアされるのかなあ、とぼんやり思った記憶があります。

で、素人考えでES細胞はもういいのかな、と思ったりするのですが、こんな風に書かれていました。「iPS細胞のさまざまな性質が果たしてES細胞と同じものなのかどうか、詳細な検討が行われるのはまだこれからなのである。そのため、iPS細胞研究と並行して、ES細胞の研究も着実に行われなければならない。」(p153)そんなもんなのかなあ、と思いました。

あと、気になったのは、iPS細胞での再生医療が将来普及したとして、その技術が特許などで囲い込まれていて、高額になってしまって、多くの人が恩恵に与れないことを八代さんが危惧されていたことです。