福岡伸一『生物と無生物のあいだ』講談社現代新書

この本を読もうと思ったのは、またまた同僚がススメていたためです。

本編の最後の2行(p272)に結論らしきものが書かれているのですが、そこにいたるまでの記述の細部に関しては正直言って理解できない部分が多いのですが(やっぱり理系的なことって向いてないのかなあと思います。)、分からないのに、読んだ結果として、最後の2行に書かれている考えにたどり着いたことには、とても納得できて、面白い本だったなあと思います。(理解できないのに面白いという、またまた、なんじゃそりゃって感想ですが。)

「機械には時間がない。原理的にはどの部分からでも作ることができ、完成した後からでも部品を抜き取ったり、交換することができる。そこには二度とやり直すことのできない一回性というものがない。」(p271)ノックアウトマウスという技術を使って実験したところ、思うような結果が出なかったのですが、疑われている要因をある/ない状態にして対照するのではなくて、不完全な状態で時間を経過させることで、要因の結果と思われていることが発現するって感じの箇所でこう書かれています。

機動戦艦ナデシコ』というアニメがあって、その中で、戦艦が敵味方識別で味方も敵と認識するという話数があります。その味方も以前は敵だったためで、その以前のデータはその都度消去されていたようなのですが、敵だと判断すること自体が蓄積されていったことの結果だとされていたと記憶しています。そのコンピュータは「オモイカネ」というのですが、データを消去するのは、上で引用した箇所のように「オモイカネ」を機械として見ているわけで、結果は「オモイカネ」がただの機会じゃなかったということを示唆しています。

この本のタイトルは『生物と無生物のあいだ』となっていますが、こうやって連想してみると、その境界線とはそういうことなのかなあと思って、妙に納得してしまいました。