斎藤信哉『ピアノはなぜ黒いのか』幻冬舎新書

この本を読もうと思ったのは、タイトルを見て、単純に興味を持ったためです。

私が小学生だった頃に、「消防車はなぜ赤い?」というなぞなぞがありました。別に消防車のかわりにポストでもいいのですが、答えは実も蓋もないものでした。ピアノが黒い理由は、本の最初の方であっけなく述べられているのですが、このなぞなぞのようなものでした。で、後の部分は、ピアノにまつわるエッセイでできていました。

この本を読んで意外だったのは、ヤマハ、カワイ、スタインウェイ以外にもピアノってたくさんあることや、ピアノの教本としてバイエルが圧倒的なシェアを持っているは日本だけだということでした。

著者さんは調律師さんなのですが、自身の体験を書かれた箇所で、他の人の仕事の欠点を指摘せざるを得なかったことを書かれています。(p160-1)先日、同僚と話をしていて、そのとき彼女が同業者が自分の仕事を見にきていたことを偶然知って、何を思いながら見ていったのだろうと思うとちょっと怖いというようなことを言っていました。いろいろな業界というか、専門知識っぽいこととかあるかと思うのですが、同業の人がそういう裏話を分かっている分、自分の仕事ぶりがバレバレのこととかあるなあと思って、この箇所が気になりました。

私には、ピアノについてひとつ疑問があって、それは「ピアノにはなぜ鍵がついているのか」ということです。鍵がついているということは、何かと隔てようとしているわけで、誰に触られるのを防ごうとしていたんだろうとか、別の理由かなあとか、最初からついていたのかなあとか妄想してしまいます。ほんと、なんででしょう。