風樹茂『ホームレス入門』山と渓谷社

この本を読もうと思ったのは、気まぐれ改め『怒りの書店員rainyの怒涛の読書ダイアリー』というブログの記事を読んだためです。

自身がリストラされてしまった著者さんが、なんでこんなにテントがたくさんあるんだろうと疑問に思ったことから上野公園のホームレスの人と話をするようになっていって、そのことを書いた本でした。

「鉄が売れないっていうのは、平和、戦争がないってことですよ」(p18)これはホームレスの人がお金を得る手段を話しているなかで出てきた言葉ですが、最近、金属の価値があがっているので、盗まれる事件が結構あったような気がしますが、それって、平和じゃなくなっていることの裏返しなのかなあと思いました。

「遠くのアフリカ難民には、涙を流して援助を差し出すが、同じ国のすぐそばの貧民は、やっかいな存在なのである。それは宗教界に関わらず多くの日本人の本心なのだろう。」(p177)風樹さんはこう書いています。この本の中には、お役人さんの冷たい対応とか出てくるのですが、仮に自分がその役人の立場だったら、違った対応をできるのかなと思うと、後ろめたくなってしまいます。で、連想して思ってしまうのが、一番近い人、例えば自分自身が大変なときに、そのことを理由に他人のことを思いやれないことも後ろめたい感じがしますが(自己中心的だとか批難されそうですし)、その分、自分から遠い人のために何かをしていると思えることは、すごいことをしていると思い込めることかもしれなくて、こういった部分があって、遠くのことには思いやりをかけることができたりするんじゃないのかなあということです。

「最近は息子を夢にみるときもあるよ。まあ、死ぬ前に一度は会えるような気もするんだけどな」(p207)家族と離れてホームレスをしている人がたくさん出てきていました。会おうと思えば会えるのに、そうできないこととか多くて、会いたい人には素直に会っておいたほうがいいのかなあとぼんやり考えました。