若竹七海『スクランブル』集英社文庫

この本を読もうと思ったのは、裏表紙に1980年と書かれていて、その年がひっかかったからだと思います。

80年に高校生だった女性6人が15年後、そのうちの一人の結婚式に集まり、そこでかつて起こった殺人事件の犯人に思い至るというお話しでした。最初の描写から犯人はその6人のうちの一人だと分かるのですが、どうして15年後に設定されているのだろうと思いました。で、犯人がわかったあとの決着のつけ方とかどーするんだろうと思っていたのですが(警察に引き渡すとかそういう雰囲気ではなかったので)、事件が起こったのが1980年で15年後でも1995年だということにようやく気づいて、そーなんかなあと思いました。まだ、時効は15年でした。

舞台は女子校なのですが、そんな感じなのかなあとぼんやり読みました。自分の高校生の頃を考えると、この本の子たちは、物事をハッキリと言語で捉えられすぎているように感じられます。でも、現役の高校生が読むと、逆に言葉にできない自分達のもどかしい部分がクッキリしてくるようになるのかなあとも思いました。

そんなことを考えると、ある学期に図書室から一番多く本を借りた人を調べるくだりがあるのですが、学校の図書室とか、「青春」の形成に結構貢献しているのかなと思ってしまいます。でも、本文中でも、本を読む子達のグループとそうでない子達のグループの反目があったりして、図書室や図書館、あるいは本は、大げさな言葉を使えば、その後の人生の変化にどれほどの影響をもつのだろうとも思いました。

お話しはとても面白かったです。ただ、1点気になったのは、司書にとらばーゆしたり、採用されたりするのは、結構、難しいことではないのかなということでした。