サイモン・シン『フェルマーの最終定理』新潮文庫

この本を読もうと思ったのは、ずっと読もう読もうと思っていたのですが、タイミングが悪かったのですが、文庫化ということで購入したためです。「フェルマーの最終定理」の証明についてはじめて知ったのは、深夜にしていたTV番組でした。いつものように、夜、眠ることができずに、TVをつけたら、日本の数学者の人がVTRをまじえながら、説明していました。今にして思えば、藤原正彦さんだったかもしれませんが、記憶は定かではありません。それ以後、フェルマーの最終定理には、いろんなところで出会って(例えば、『地球少女アルジュナ』の「はじめの一歩」という話数では、本当は生徒たちにこういったものを教えたいという数学教師が出てきます。)そのたびに、すごい定理なのだろうなと思ってきました。

この本を読んで、印象に残ったのは、最終定理を証明するための方法というか、考え方です。フェルマーの最終定理自体を証明したのではなく、谷山=志村予想の一部を証明することで、論理によってフェルマーの大定理を証明したことになっているようでした。本当の内容はチンプンカンプンなのですが、谷山=志村予想が正しくないとすると、フェルマーの予想の方程式は解を持つことになるので、谷山=志村予想が正しいことを示せば、フェルマーの方程式は解を持たないことになって、つまりフェルマーの予想が証明されるということでした。俗っぽい感想ですが、倒すべき相手に直接手が届かなくても、倒す方法はあることを示唆しているように感じられたので印象深かったのかなと思います。

あと、虚数を使うお話しとかあって、「現実と虚構の区別がつかない」という批判がいろんなときにあるかと思うのですが、虚数というか、頭の中にあるものが頭の外での出来事に影響することって数学の議論とか考えると結構多いのじゃないのかなあと思いました。って、思想と行動の関係とかって単純にそういうことかもしれませんが。

ただ、数学をする人は、この世の中を自分とはかなり違ったものとしてみているような気がして不思議な感じがしました。んで、私は微分のグラフを考えたり、複素数のお話しが昔好きだった(成績は芳しくありませんでしたが。)ので、その頃にこういう本を読んだら、もっと数学に前向きに向き合えていたのかなあと思いました。と、いうわけで、本屋さんの学参コーナーで数学の参考書を立ち読みしてしまいました。