高楼方子『時計坂の家』リブリオ出版

この本を読もうと思ったのは、昔、ある新聞の読書欄で紹介されてたのを見て、気になっていたためです。

主人公が日常を営んでいる場所と時計坂、そして時計坂にある家と行き止りの2階から行ける園。と、いうふうに、ファンタジーで言うところの「行きて戻りし」場所が二重構造になっているとか、それは物語の中でたびたび登場するロシア人形マトリョーシカの構造と同じようになっているなーんて書けば、ちょっとカッコイイかなあとか思いながら読みました。

印象に残ったのは、ジャスミンのことが書かれている箇所です。漢字で書けば茉莉花。和名をマツリカという。と、いったことが書かれているのですが(p110-1)、この内容と全く同じ会話を先日、同僚としたばかりだったので、なんか不思議な感じがしました。Make a good things betterって頭の中でリフレインしてしまいます。

「あちら側」に最後まで行ってしまうことの評価が結構シビアなお話しだったなあと思います。あと、おばあさんを「こちら側」に引き止められなかったことの理由をおじいさんがどの程度自分自身のことだと感じているのだろうと思うと、切ない感じがしました。