芦原妃名子『砂時計』10巻 小学館

『砂時計』というマンガの10巻でした。本当に最終巻のようでした。この巻には本編の主人公たちのその後が描かれた「time letter」と本編中で描かれなかった(?)「19歳夏」が入っていました。

「time letter」では大げさな言葉で言うと、教育ということがテーマとなっていました。で、思ったのは、大村はまさんのことでした。題名は忘れたのですが、ある本で生徒に良い先生だったと回顧されたくないと書かれていたと思います。大村さんは国語の先生なのですが、生徒にいい印象をもたれるよりも、きちんとした力(国語の力)をつけさせることが大事だという考えだったと思います。

「教育」というものの結果がわかるのは、生徒が大きく成長した後で、それには長い年月がかかって、先生としてはその「結果」を見るのは怖い側面もあるのではないかと思います。自分の放つ一言一言がその子の将来にどういった影響を及ぼすか分からない不安。そういった不安を支えてくれる存在は「time letter」の中では夫でした。

少年犯罪が報道されるとき、その加害者を教育した「先生」が存在すると思うのですが、その中には自分は関係なく、その子がもともと、そういう素質があったから犯罪を犯したと思う先生もいるかと思うのですが、自分が言ったことや行動の影響が彼、彼女の犯罪につながったのではないかということを程度の差はあれ考える人もいるのではないのかなと、そんなことを思いました。

周りの人たちが、みんな自信に溢れているように見えることがあるのですが、このマンガを読んでいると、そうでもないのかなと思うことができます。「あの人も不安なのかもしれない」。毎日をなんとかやり過ごしていくためのマジックワードかなと思ったりします。