斎藤貴男『ルポ改憲潮流』岩波新書

この本を読もうと思ったのは、今年見たあるドキュメンタリ番組の影響だと思います。「天皇又は摂政及び国務大臣国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」(日本国憲法第九十九条)その番組は土井たか子さんを取材したものでした。土井さんは自身の体験から憲法を護っていくことの大切さを痛切に感じている様子で、そのために政治活動をしてきたようでした。結婚もされていないようで、家も購入されていないようでした。別に、そのせいということはなかったかもしれないのですが、そこから護憲への意地が感じられました。で、番組の中で憲法の99条について触れられていました。

斎藤さんの本をはじめて読んだのは『プライバシー・クライシス』だったのですが、その本では住基ネットについて書かれていました。数年前、住基ネット関連の議論で盛り上がっていましたが、その本はその何年か前に書かれたものでした。で、警鐘は予め鳴らされていたのに、その音を聞くことができたのは、本当に土壇場だということがあるのだなと思いました。

現在の政治の状態が将来のどういった事態につながっていくのか分からないのですが、憲法が変わってしまって、そのことで多くの人が死ぬようなことにつながっていってしまうとしたら、なんかヤだなと思いました。

あと、小泉総理のことがいろいろ書かれていたのですが、その部分を読んでいて、昔、教室でイジメをしていた子たちは、周りの人から嫌われていたわけではなく、むしろ人気者だったことを思い出してしまいました。悪い人に見えないというか、実際、「悪い人」ではなくても、人の気持ちが分からないことや、人を不幸にしてしまうことを一顧だにしないことってあるのではないかなと思ってしまいました。