熊田紺也『死体とご遺体』平凡社新書

この本を読もうと思ったのは、お葬式に関係することの関心があったからです。著者の熊田さんは奥さんと湯灌業を営んでいらっしゃるようです。湯灌とは、葬儀に際して、故人の体をお湯や水で拭いたりして、生前と同じような形で送り出そうとするもののようでした。熊田さんの表現によれば、死体は湯灌を経由することでご遺体となるようでした。

体を拭くことと死化粧(エンジェル・メークアップというようです。)がセットとなって湯灌のようなのですが、化粧を担当しているのが奥さんのようでした。奥さんにも仕事をしてもらうようになる経緯とかも書かれているのですが、こういった夫婦の形もあるんだなあと思いました。余談ですが、最近、街を歩いていると、いろんなカップルの姿が目に付くようになりました。今までは気がつかなかったのですが、いろんな組み合わせがあって、一人で歩いている人って結構少ないなと思ってしまいます。やっぱり一人でいることは寂しいことなのかなと思いました。本の中では孤独死のことにも触れられているのですが、先のことを考えるとちょっと暗い気持ちになります。

本のなかではエンバーミングのことにも触れられていたのですが、初めてエンバーミングのことを聞いたとき、なんか、人が死ぬということもコントロール下に置こうとしている意思を感じてしまって違和感を感じたのですが、逆に人が集まらない葬儀も寂しい気がして、そう思うと、いろんな人の都合にあわせるという意味でも必要な技術なのかなあとも思いました。