坂木司『青空の卵』創元推理文庫

ある同僚がこの本のことをススメていました。人が死なないミステリのようだったので読んでみることにしました。

ひきこもり気味のプログラマー(探偵役)と外資系保険会社の外勤さん(ワトソン役)のふたりが中心のお話しでした。外勤さんのほうは、自分のことを平凡な人だとか、空虚な存在だとか思っていて、プログラマや作中に出てくる巡査(同級生です。)を特別な存在のように感じているのですが、小説の外からそんな彼のことを見ると、きちんと毎日を過ごしているように見えて、自分と比べてしまって、逆に彼も特別な存在で、自分ってダメだなと思ってしまいました。プログラマの方を読んでいると、安定している部分と不安定な部分が同居しているような感じでもなんとかやっていくしかないのかなあと思ってしまいます。ただ、作中のある人が言った言葉に、悲しいときは空を見上げようと人にいっていけば、いつか本当に悲しいときに同じ空を見上げている(見ず知らずの)人が存在するようになるかもしれなくて、そうなると、人は一人ではないって感じのものがあるのですが、空を見てしまうのは、そういった期待を知らず知らずのうちにしているからかなと思いました。

この本を読んで、人間って汚いなと思う部分とやっぱり友達っていいなと思う部分がありました。あと、この二人のシリーズは三部作になっているようで確か、最近二作目も文庫になっています。