天野こずえ『ARIA』9巻 マッグガーデン

ARIA』というマンガの9巻目でした。

この巻の一話目は「パリーナ」というお話しなのですが、小学校の卒業制作のことを思い出しました。卒業制作として結構な大きさの壁画を砕いたタイルを使って作りました。で、小学校はうちの実家の近所なのですが、たまに用事があって前を通ったときとか、玄関に飾ってあるので、おぼろげながら見えて、今、通っている児童はその壁画のことをどんな感じで見ているのだろうと思ったことがありました。「ずっとずっと先にこの彩色パリーナに逢いにくると今日の私達3人に逢えるってことですよね」(p34)もし、その壁画とはっきりと対峙できたなら、あの頃の自分たちに逢うことってできるんだろうかと、そんなことを思いました。

印象に残ったのは「プリマ・ドンナ」だと思います。「人は自分自身で嫌なことを何倍も重くしているんだ」(p113)できることでいわれのない中傷を受ける先輩が、そうしたことも引き受ける覚悟ができていることが描かれていました。『ARIA』は今まで、ふわふわ、ほんわかしたマンガだと思っていたのですが、この話数には「現実に向き合う」というメッセージ性が感じられて、ちょっと意外な感じがしました。私は、毎日、自分ができないことの方ばかりを考えてしまうのですが、多分、できていることもきっと(多分・・・)あると思うので、明日から、そっちの方もきちんと見つめていこうかなと思いました。

あと、男の子と女の子のもどかしい(?)恋愛のお話し「お月見」はちょっと、ふたりのやりとりがまわりくどいと思いました。けど、そういった距離感がふたりらしさであって、それはそれでうまくいくことなのかなと思いました。

最後に「アクアマリン」では、グランマ(伝説のウンディーネ)とアリア社長の邂逅が描かれているのですが、その後のアリア社長のことを考えると、グランマと会う前の彼はその青い瞳で一体何を見つめていたのだろうと思ってしまいました。