藤野幸雄『アメリカ議会図書館』中公新書

この本を読もうと思ったのは、単純に議会図書館に興味があったからです。『R.O.D』というOVAの冒頭で真っ先に破壊されるのが(実はホワイトハウスだということは忘れておいて、)アメリカ議会図書館です。大英図書館と並んでとても興味を引かれる図書館です。

面白かったのは、蔵書収集の方針や、サービス提供の客体として誰を想定するのか、あるいは、議会図書館という名称より国立図書館のほうがいいのではないかという議論などです。特に、蔵書収集に関して、ジャンルを絞っていくような箇所があったのですが、以前、大阪の中ノ島図書館に行ったときに、(全然予備知識がなかったので、)入り口でロッカーの鍵とか渡されている光景に驚いたことを思い出しました。で、お昼休みのような女性や男性がどんどん、入っていっていました。私はビビってしまって、入り口で帰ってきました。ぶらぶらブラウジングという雰囲気ではなかったので。(その後、大阪市立図書館までいって、ぶらぶらしてきました。)後で知ったのですが、中ノ島図書館は、ビジネス関連の参考業務に特化しようとしているようでした。資料組織論かなにかの講義で聞いたことがあったのですが、これからの時代は専門図書館(あるいは、各図書館の専門化)がポイントになるというお話しはホントなんだなあと思いました。

脱線しましたが、この本では、議会図書館の館長にダニエル・ブーアスティンさんがなっていることに驚きました。メディア論関連の(多分)基本文献として『幻影の時代』があげられることが多いと思うのですが、その著者が館長をしているとは思いませんでした。あと、館長さんには、在任期間の長い人が多くて、その点も意外でした。これについては、文化的なことの成果が出るには長い期間が必要で、議会もその点には理解があったと藤野さんは書かれていました。

最後に、著者あとがきで、いろんな人に謝辞を述べているのですが、その中の人の一人の肩書きに図書館情報大学とあったので、この本が出たときは、まだあったんだなあとぼんやり思いました。(図書館情報大学は、何年か前に筑波大学と合体しました。)